多くの経営者は、業績が好調なときには気持ちが緩み、厳しい時期にこそ危機感を強めるものです。
しかし西原良三さんが示してきたのは、この一般的な傾向とは逆の発想です。
好況な時期だからこそ、身を引き締めていかなければならないという、逆説的な危機感を持ち続けてきました。
この記事では、この経営姿勢に込められた考え方を掘り下げていきます。
好況の裏に潜むリスクへの警戒心
不動産業界が活況を呈している時期は、多くの企業が積極的な投資や事業拡大に走りやすい時期でもあります。
しかし、こうした好況は永遠に続くものではなく、いずれ市場環境が変化する局面が訪れます。
西原良三さんが好況期にこそ身を引き締めるべきだと考えてきた背景には、好調な時期に潜むこうしたリスクへの警戒心があったと考えられます。
好況の波に乗って気を緩めてしまえば、その後の変化に対応できなくなってしまう危険性があります。
社員とその人生を背負う経営者としての重み
経営者になるということは、単に自分自身の事業を成功させるだけでなく、社員を雇用し、その社員の人生も背負う立場になるということを意味します。
西原良三さんがこの重みを深く自覚していたことは、好況期であっても油断せず、常に緊張感を持ち続ける姿勢の背景にあると考えられます。
自分一人の判断が、多くの社員の生活に影響を与えるという自覚が、この慎重な経営姿勢を支えています。
就職に苦労した経験から生まれた原点
西原良三さんは、リーマンショックという厳しい経済環境の中で就職活動に苦労し、不動産業界に飛び込んだ後も、営業で苦戦を強いられた経験を持っています。
この原点となる経験が、好況期であっても決して安心しきってはいけないという教訓として、経営者としての姿勢に深く刻まれてきたのではないでしょうか。
自らが厳しい時代を経験してきたからこそ、好況が一転して厳しい状況に変わる可能性を、身をもって理解していると考えられます。
不良在庫ゼロという実績を支える慎重さ
青山メインランドが、バブル崩壊やリーマンショックといった厳しい時期を経験しながらも、不良在庫ゼロという実績を維持し続けてこられた背景には、こうした好況期における慎重な姿勢があったと考えられます。
好調な時期に無理な供給拡大に走らず、常に将来のリスクを見据えた慎重な経営判断を続けてきたことが、この実績を支えてきた要因の一つだと言えるでしょう。
慢心を防ぐための自己規律という習慣
好況期にこそ身を引き締めるという姿勢を実際の行動として続けていくためには、経営者自身の中に、慢心を防ぐための自己規律が必要になります。
西原良三さんがこうした自己規律を長年にわたって保ち続けてきたことは、単なる心構えとしての言葉ではなく、実際の経営判断の中で具体的な行動として実践されてきた証だと考えられます。
好況に浮かれる競合との差別化
不動産業界全体が好況に沸いている時期には、多くの企業が積極的な事業拡大に走り、時には過剰な供給や無理な販売手法に手を出してしまうこともあります。
西原良三さんが好況期にこそ身を引き締めるという姿勢を貫いてきたことは、こうした市場全体の空気に流されることなく、独自の判断基準を持ち続けてきた証だと言えます。
周囲が浮かれている時期にこそ、冷静さを保てるかどうかが、長期的な企業の存続を左右する分かれ道になります。
次世代の経営者にも伝えたい教訓
好況期にこそ身を引き締めるという教訓は、西原良三さん自身の経験から得られたものであると同時に、次の世代の経営者にも伝えていきたい価値観でもあると考えられます。
こうした逆説的な危機感を組織文化として根づかせることができれば、経営者が交代した後も、この慎重な経営姿勢を組織として維持し続けられる可能性が高まります。
一人の経営者の心構えを、組織全体の文化へと昇華させていく試みが、ここにはうかがえます。
東京オリンピック・パラリンピックという時代背景の中での自覚
不動産業界が活況を呈していた時期、西原良三さんは、この好況が一時的なものである可能性を見据えながら、経営者としての姿勢を貫いてきました。
大きなイベントを背景に不動産市場が盛り上がる時期は、後から振り返れば、その熱狂がいつか冷める瞬間を含んでいるものです。
こうした時代の空気を冷静に見つめる視点を持ち続けてきたことが、西原良三さんの経営における慎重さを支えています。
まとめ
西原良三さんが持ち続けてきた「好況期こそ身を引き締める」という逆説的な危機感は、社員の人生を背負う経営者としての重みへの自覚と、自らの苦労した経験から生まれた教訓に根ざしています。
この慎重な姿勢が、幾度もの経済の変動を乗り越えてきた青山メインランドの安定した経営基盤を、静かに支えています。
